極楽浄土
阿弥陀如来は世自在王如来の説法を聞いて仏道を志し、長い年月をかけて極楽浄土をつくりあげたといわれています。
その阿弥陀如来の浄土として有名な西方極楽浄土とはどんなところなのでしょうか?
いつ誰が作ったの?
まず上記で説明したように極楽浄土を作ったのは阿弥陀如来です。
阿弥陀如来はその昔ある国の国王だったところから出家し法蔵菩薩となりました。
そのときに仏の世界をマネして西方に極楽という浄土をつくり全ての生ける者を救おうと考えたのでした。
そうして修行をして悟りを開き如来になったのです。
(※詳しくは阿弥陀如来の項をご参照ください。)
どこにあるの?
西方という言葉でよく示される極楽浄土ですが、具体的には娑婆世界の西方十万億土を超えた遥か彼方にあるとされています。
といわれてもどれほど遠くにあるのか具体的な見当もつきません(汗)
どんな場所?
私たちが温泉に入った時に「極楽♪極楽♪」とつい言ってしまうように極楽浄土は絵的にも幸福に満ち溢れた世界のようです。
「仏説阿弥陀経」という経典に説かれている様子をわかりやすく説明すると次のようになります。
- 木々は四宝(金・銀・ラピスラズリ・水晶)が埋め尽くされた柵や網で7重にも囲まれており木事態にも百千万の無数の宝が厳飾されている
- 七宝(金、銀、瑠璃(るり)、玻璃(はり)、硨磲(しゃこ)、珊瑚(さんご)、瑪瑙(めのう))の池があり、その池は「八功徳水」という聖なる水が流れ込んでいる
- さらに底には金沙(こんさ)が敷き詰められていて四色の蓮華が咲き誇っている
- 大地は黄金でできている
- 天からは言い表せないほどの音楽が流れてくる
- 華の雨が降る
- 暑くもなく寒くもない住みやすい気候
- 聞こえてくる人々の声や音楽は素晴らしいものばかりで鳥や木までもが法を説いてくれる
- 常に清浄で光り輝いている
しかもこんな場所で阿弥陀如来の説法を聞くことができるなんて本当に夢のような世界ですね。
極楽と名付けられた由縁
極楽浄土はもともとサンスクリット語の「スクヮーヴァティー」が語源です。
この「スクワーヴァティー」とは「幸福のあるところ」という意味です。
衆生の苦が存在せず無条件に諸楽を受けることができる場所だから極めて楽しい楽なところ、極楽と名付けられたのだと考えられています。
また親鸞上人が安楽浄土といったり、曇鸞上人が安養といったり極楽浄土には様々な呼ばれ方があります。
極楽の別名
この他にも極楽浄土には様々な呼称があります。
- 浄土
- 極楽湛蕨国
- 安養
- 無為
- 安楽
- 無量光明土
- 諸智土
- 清浄処
- 厳浄国
- 蓮華蔵世界
- 大乗善根界
- 一乗清浄無量寿世界
- 涅槃城
- 真如門
- 報土
- 天国
ただしキリスト教の天国と仏教の極楽浄土は別の次元であるという人もいます。
その主張の最も大きな理由がキリスト教の天国は最終目的地であるのに対して仏教の極楽浄土はあくまでもこれから仏になるための修行の場であるというものです。
とはいえキリスト教の天国という場所でみんなが手を取り合って生活をしている様子を想像したら幸せに修行をしているのも似たようなものにも思えます。
どちらが間違っているとか正しいとかはわかりません。
そんな極楽浄土に行く方法ですが私たちが死んだときに阿弥陀如来が迎えに来てくれると信じられています。
ただし生きているときに積んだ徳によって迎え方に差があるそうです。
善い行いは多ければ多いほど悪い行いは少なければ少ないほど早く極楽浄土に連れて行ってくれるのだそうです。
日頃から善い行いを続け幸せに生きながら、死後もなお極楽に早く行けるように精進したいものですね。