すればできる

すればできる

どんなお話も、聞く気がなければ耳に入らない。聞いてもしなければ身につかない。聞く気になり、「やろう」という気を起こしてもらいたい。

大勢のお坊さんがご飯を食べている。給仕のお坊さんが、その中に座っていた。
1000年ほど前の中国のことである。
カラになった茶碗が飛んでくるーーー
給仕はパッと受け止めて、ご飯をついで差し出した。
また、向こうから飛んでくるーーー
また、ぱっと受け止めて給仕をする。
それをじっと見ていた日本の坊さんがあった。弘法大師様である。お大師様は、自分が食べるのも忘れて、その給仕の様子を見ていられた。
どこから飛んできても受け止める隙のない給仕の態度とその修行ーーー
それを見ながら、お大師様は、
やれば、どんなことでもできるものだなぁ。
と、つくづく感じいったという。
お大師様はえらい人である。それは生まれつきからだけではない。お大師様がえらくなったのは、どんなことにもよく気をつけたことである。
聞く気で聞き、習う気で習ったことである。
そして次に大切な点は
「私にはできない」とは思わなかったことである。
「私にもできるに違いない」と思われたのである。
そして、実際にやっていかれた。夜も寝ないでやっていかれた。お大師様の若いときの修行は、とてものことではなかったらしい。

お大師様は、
石ころ1つにも目をつけた。
少しの水たまりにも気をつけた。
山の形の全体を頭に浮かべながら山を登った。
その土地の有り様、人の心の動きなど、どんなことにも心から気を配った。
それが、石油、石炭を見つけ出し、温泉を開き、高野山を選び、学校を創め、満濃池を築く力となったのである。

関心を持つことこそ、ことをし遂げるもとである。
する気を起こすことこそ、道のはじめである。
そして「自分にもできる」と思うこと。
そして実際にやる。
そうすれば、どんなことも、できないことはない。

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