規律を守り抜こう

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彼岸と言うのは、本当に気楽になった世界のことを言う。その世界に入るために6つの道があるが、ここでは第2番目の戒律を守ることについて考えてみよう。
戒律には制戒と性戒というのがある制戒と言うのは、酒を飲むな、勝負事をするな、邪な男女関係を結ぶ、悪口・雑言・戯言、刻辛いきざからいを言うななどと禁止していく戒律である。
夏目漱石は、若い時、病床に付したので、医者が看護婦の付き添いを勧めたところ「人間には、はずみと言うことがあるのでね」と言って断ったと言う。
山登り、競輪、ドライブなど、身を滅ぼすまでになる誘惑の多い今日であるが、守るべきルールや生活秩序は、どこまでも守ると言う決心を固め「これくらい「と言う気持ちを断固として抑えたい。
性戒と言うのは、人間らしい人間の道であり、人間なら当然できる戒律である。挨拶をするとか、感謝するとか、親孝行するとか、自分の務めを尽くすとか言ったことである。
しかし、わがままだったり、こだわりがあったりすると、これがなかなかできない。恋人との仲を割いたり、自分がしようと思うことを止めたり、無理ばかり言うと思う父母に感謝せよと言えば、死んでもできるかと言う気さえする時がある。
ある寺の青年は、父の僧侶から、いただいたお布施が少ないと言って「突き返してこい」と命令された。本来の僧侶としては、そんなことはできない、さりとて父に反抗することでもできない。いわば絶体絶命の立場に立たされた。そうした父にさえ、無条件に感謝するところに宗教の世界が開ける。それは自意識をして、理屈を超え、義理人情も忘れて飛び込む世界である。
そこに開ける境地はなんと自由であることか。それは、もうどんなことでもやっていけるぞと言う勇気に満ち満ちた世界でもある。ある人は、戒律とは自分を縛るものだと反感を持っていたが、戒律は自分を自由にするためのものだったと述懐している。「感謝」と言う1つの事だけでも良い、徹底的にやってみて欲しいものである。

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