マッタリ マッタリ

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気の短い殿様から、短気の治る薬かお守りを買い求めるよう命じられた家来があった。彼は諸国をまわったがなかった。諦めて帰ろうと思ったが「まぁ待て」と、もう一つの町に入ったところ「堪忍袋あります」と看板があった。

粗末な木綿袋で代価は千両という。あまりの高価さに腹を立てたが「これを身に付けて朝夕念じていると、きっと千両でも安いとうなずくことがありましょう」と勧められて買った。中には「マッタリ、マッタリ」と書いてあった。

口癖のように言いつつ、我が家に着いたところ、夜中と言うのに、明かりがついていて、女房の側に男の影法師が映っていた。かっとなって一刀両断と、踊り込もうとした時、堪忍袋が「マッタリ、マッタリ」と声をかけた。

考え直して、中に入ってみると、男というのは、留守見舞いに来ていた女房の父親だった。

殿様も、一万両の値打ちがあると喜ばれた。

ちょっと待ってば、怒らずに済むことが多い。怒るのは、相手をよく見ないか、筋道だてて考えないか、せっかちすぎて努力が足りないか…。
よく「子供が勉強せぬ」「こんなことがわからないのか」と叱るが、1度が2度、2度が3度、子供とともにわかるまで勉強させる親の辛抱、努力が足りないのではないか。

お母さんが3人、おしゃべりしている側で、子供たちがすべり台を滑っていた。すべっては登り、すべっては登り、小さい組立のすべり台が壊れる位、ぐるぐる目が回る位、すべりまくっていた。
ついに1人のお母さんが「もう、およしなさい」とたしなめたが、子供はやめない。
もう1人のお母さんが「いいかげんにしなさい」と怒鳴った。でも、子供はやめない。
その時、もう1人のお母さんは、笑いながら、子供たちに近づいて「さぁ、頑張って、もう3回ずつすべってごらん。それがすんだら、おわりにしようね」
子供は、1回、2回、3回と数えながら元気に3回すべって、ピタリとやめた。
マッタリ、マッタリ。少し考えれば、怒らずにすむ方法がある。

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