参拝者の3つの宗教観

●この記事に共感したらシェアしてください

広告域

悩み事を持つ女性

願い事のない人?

海岸寺の参拝者の方に私はときどきお願い事を聞くことがあります。

今回のお遍路で何か願掛けしていることはありますか?

何かお願い事がありますか?

そう質問すると意外なことに多くの人たちが特に何も願掛けはしていませんとお答えになります。

悩み事の一つや二つ誰にでもあるものだろうと当然のように考えていたものですから私はとても驚きました。

たしかに中には友人に赤ちゃんが授からないからとか足が悪いのが治ればいいなぁとかおっしゃることもあります。

しかしながらそういう人の方が少なく感じるのです。

実際に統計をとったわけではないのでただ私の感覚が間違っているのかもしれませんが、いい時代だなぁと私は思います。

本などで読み知ったことですが、昔のお遍路はとても厳しいもので陰鬱なムードが漂っていたといわれています。

病気や貧困で苦しむ人、高度成長期の波に乗れなかった人、高齢化で孤独死を恐れている人、人間関係に悩んでいる人など様々な苦悩を断ち切るために藁をもつかむ思いで歩いたなどと書かれている内容を目にしています。

四国遍路を始めた人物ともいわれる衛門三郎は8人の子供が次々と死んだことを嘆きお大師様を探す旅に出たといわれています。

遍路をする人はこのような苦悩を乗り越える何かを求めていると私は勝手に思っていたのです。

45912hd

宗教に対する3つの考え方

そんななか大阪市立大学名誉教授や相愛大学理事長を務められる浄土真宗の僧侶、金児 曉嗣(かねじさとる)さんのレポートを拝読して宗教に対する考え方には3つの分類ができることを知りました。

目からウロコでした。

その3つとは次の通りです。

  1. 向宗教性
    • 向宗教性とは、一般的な意味で宗教に対して好意的態度(接近)を示すのか,否定的態度(回避)をとるのかという次元に関するものである。

  2. 加護観念
    • 加護観念は,風俗や年中行事としての軽い宗教との結びつきに親しみを感じ,自然にも敬虔な気持ちをもった宗教性である。これが強く働くと仏神への報恩感謝の念となり,オカゲさまという恩情感がこの宗教性の中核を成す。

  3. 霊魂観念
    • 霊魂観念とは,霊的存在への信仰,死者への畏怖の感 情,あるいは願いごとをかなえてくれたり,祟りや罰を与えたりするような人知を超えた存在 に対する畏怖の念,あるいは輪廻転生を信じる こと,そうした観念の複合したものである。いわゆるタタリ意識という情念の観念に相当するといえる。

日本における 近代的価値観と宗教意識の変質 1) 金 児 曉 嗣より引用

つまりお寺の参拝者には次のような3種類の人がいるということを私は理解しました。

  1. 宗教的な考え方に賛同して参拝しにくる人
  2. 宗教文化的なイベントに何かを感じて参加しに来る人
  3. 死者や人智を超えた存在への畏怖・畏敬の念で参拝に来る人

それぞれ参拝に対する意味合いが違うのです。

私が仏道を求めた一番の理由は向宗教性のように思います。そして多くの人が霊魂観念を抱いていると私は思い込んでいたのです。

しかしながらこれからはどの考え方に対しても理解を深め相手に応じた会話ができるような僧侶になる必要性があると感じることができました。

もし友達や家族、恋人と神社仏閣を参拝する機会があれば自分は上記の3つの内どんな想いでお参りをしているのか友達はどんな想いを馳せているのだろうかとちょっと考えてみてください。

あなたが実践的な戒律を重んじているのか、神仏への感謝の念を抱いているのか、はたまた霊的なタタリを恐れているのか…そんな会話をするだけでも相手がどんな性格なのかわかるかもしれません。

感謝の文

読んでくださってありがとうございました。

●この記事に共感したらシェアしてください

●お得な情報や新着情報を随時更新していますのでフォロー試してみてください

PR