如来とは何ぞや?
南無阿弥陀仏に代表される阿弥陀如来をはじめ、大日如来、釈迦如来、宝生如来など如来と呼ばれる尊者がいます。
この「如来」とは一体何を意味しているのでしょう?
如来とは
- 真理に到達した人
- 真理そのもの
- 人間や獣だけでなく神をも含んだすべてを導く尊者
- 如とは真理・真如という意味。その「真理に到達した(来た)者」と「真理から来た者」の両方の意味を含め如来
如来とは仏の別名だって知っていましたか?
ホトケの語源
インドでは悟った人のことをブッダといいました。
この「ブッダ」が中国の言葉で音写された結果「仏陀」となりました。
この「仏陀」という言葉は日本に伝来し「仏(ほとけ)」と呼ばれるようになりました。
「仏の十号」
実はインドには「ブッダ」の別名とも呼べる称号が10もありました。
それらは全て中国語に音写され、日本にも伝わっています。
それが次の「仏の十号」です。
如来 | 真理に届いた人、または真理から来た者 |
応具 | 供養を受けるにふさわしい人 |
正偏知 | 最も優れた正しい智慧 |
明行足 | 明(智慧)と行(行い)を兼ね備えた者 |
善逝 | 悟りに達した人 |
世間解 | 森羅万象のすべてを解いた者 |
無上士 | この上ない尊者 |
調御丈夫 | 各々の人に状況に応じた最適の教えを説く者 |
天人師 | 人だけでなく天(神)からも師と仰がれる者 |
世尊 | インドで古くからいわれる聖者のこと |
これらすべての称号が悟った人には与えられたのです。
なかでも「如来」という言葉は使用頻度が高く、お釈迦様の死後、お釈迦様以外の対象にも頻繁につけられるようになったと考えられています。
つまり真理を悟った尊者、仏陀のことを如来というのです。
如来は「真理に辿り着いた人」と同時に「真理そのもの」を指す
今でこそ仏像は人間のような形をしていますがお釈迦様は偶像崇拝を禁止していました。
ましてや人間の形をしているものを拝むことはありえないことでした。
きっと人間の平等性を説いたお釈迦様は人間以外の全てのものに対しても固定観念をもってほしくなかったのだと思います。
しかしながらお釈迦様亡き後弟子たちは学びの形式上最善の策としてお釈迦様を形作った像をつくるようになりました。そしてそれが派生し様々な仏像ができました。
如来の形態は人の形を連想されますが、実はそれは象徴的な一つの形態でしかないのです。
そのことを私たちは知っておく必要があると私は思います。