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顔と心

最近の街灯は暗くなれば、1人で灯る。偉大なる科学の力。 野うさぎは、野山に雪が積もると白くなる。自然の不思議な力。 作家の八木義徳さんは、学生時代左翼運動に関連して退学になった。その時お母さんは、退学させられたことについては、一言も言わなかったが、漆のように暗かった髪が、一夜のうちに白くなってしまったと言う。八木さんは、親の愛情の深さをまざまざと感じ胸が締め付けられるようだったと言う。 あるお坊さ […]

はじめの1口

ある山に多くの大ザル(猿)が住んでいた。大ザルは何びきとなく、人の仕掛けた先に酔いつぶれては生け捕りにされた。それを知った大ザルたちは、酒を飲まないようにと戒めあった。 ある日、数匹の大猿たちは、昨日子方から良い匂いがしてくるのに気がついた。酒の匂いである。大猿たちは、戒めあいながらも、そば会やってきた。そこで1匹のサルは、 「ひと口だけならよかろう」 と言って、みんなの前でひと口、口にした。それ […]

労働者のケンカ

ある村に橋ができておりました。その時、橋の工事に従事していた労働者と村の人とが喧嘩をしておりました。中に入ってそのわけを尋ねたところ、労働者が言うのには「この男が私に土方(どかた)と言って馬鹿にした」と言うが、村の人は「言わない」と言う。よくよく調べてみると村の人が「アンタどっちゃで(どちらの方ですか)」と尋ねたのを「土方」と聞き違えたのが原因でした。 このことを考えてみると、この労働者は、いつも […]

損の上塗り

ふと目の前を、自分の血を吸った蚊が飛んでいるのを見つけた私は、それをどこまでも追っかけていきました。蚊は白い壁に泊まりました。恨み心を止めない私は、その蚊を殺してしまいましたが、そのために、白い壁には赤い斑がついてしまいました。 血を吸われたと言う事は、もう済んでしまったことであります。その済んでしまったことを忘れないで、どこまでもくよくよしたり、仕返しをしたりしようとすることを愚か(おろか)とい […]

マッタリ マッタリ

気の短い殿様から、短気の治る薬かお守りを買い求めるよう命じられた家来があった。彼は諸国をまわったがなかった。諦めて帰ろうと思ったが「まぁ待て」と、もう一つの町に入ったところ「堪忍袋あります」と看板があった。 粗末な木綿袋で代価は千両という。あまりの高価さに腹を立てたが「これを身に付けて朝夕念じていると、きっと千両でも安いとうなずくことがありましょう」と勧められて買った。中には「マッタリ、マッタリ」 […]

生活の中の真言

ーー本気になって話をすれば必ず聞いていただけるーー 石川達三氏の小説「夜の鶴」は長年、愛育した子供(娘)を嫁がせようとするときの複雑な父親の心境を描いた心温まる小説である。まず相手の男性にその心境をうったえた後娘がどんなに育てられ育っていったかを述べているが、その中に… 離乳の頃に、幹子(母親)は歯を悪くし、何とかして早く乳をやめさせなくてはならないと言うことになった。 だが、昼間は良いが、夜、眠 […]

ユニホーム

ふるわなかった巨人軍にあって、1人気焔をあげ、ホームラン王と、打点王になった王選手だが、それには、それだけの精進があった。彼はグラウンドへ行くのに家からユニフォームのまま出たと言う。したがってそういう格好で、遊興の巷に道くさするわけにもいかず、家路を急ぐこととなり、酒から遠ざかったと言う。 確かに服装というものは、心構えや行動に影響するもので、私たち坊さんも僧服を着ていると、必然的に、それ相当のプ […]

ご飯を食べたら茶碗を洗え

ダルマ(達磨)の跡継ぎである逍州和尚の僧堂へ新参の弟子が来た。その弟子が「私は新参者で何も解りません。どうか指示してください」と尋ねたところが、和尚は、「朝ご飯は済んだかね」と問う。「はい、いただきました」「そうか、ご飯が済んだら茶碗を洗ってきなさい」ーーーこう言われて、その弟子は非常に反省させられた。(無門関) この弟子は、仏教とは、難しい道理を教えるものと思っていたのでしょう。茶碗を洗うような […]

規律を守り抜こう

彼岸と言うのは、本当に気楽になった世界のことを言う。その世界に入るために6つの道があるが、ここでは第2番目の戒律を守ることについて考えてみよう。 戒律には制戒と性戒というのがある制戒と言うのは、酒を飲むな、勝負事をするな、邪な男女関係を結ぶ、悪口・雑言・戯言、刻辛いきざからいを言うななどと禁止していく戒律である。 夏目漱石は、若い時、病床に付したので、医者が看護婦の付き添いを勧めたところ「人間には […]

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