機会費用とは、ある意思決定をした際に断念しなければならないものを指す経済学の用語だ。※チップ・ハース&ダン・ハース著「決定力」より引用
機会費用を理解し後悔しない人生の選択ができるようになろう!
自分の行動をふと振り返った時に、こんな風に後悔したことがありませんか?
- こんなもの買わなければよかった。
- 若い頃にもっと時間を大切にすればよかった。
実は多くの人が同じような経験をしています。
それもそのはず、人間本来の持ち合わせている思考パターンのせいで物事を選択するとき私たちの視野は狭まり冷静な判断ができなくなってしまうからです。
そんなとき、ある工夫をするだけであなたの状況判断能力を格段にUPさせることができます。
例えば訪問販売の人が突然やってきたときや「~を買うべきだろうか?」などと悩んだときに、自分への問いかけを次のように変えるだけで、それが本当に欲しいものなのかを冷静に判断できるようになります。
シェーン・フレデリックの実験からわかる意思決定の違い
意思決定科学の博士、シェーン・フレデリックが考案した次の質問に答えてみてください。
〈質問〉
あなたは欲しいものを買うためにアルバイトでお金を貯めているとします。
ある日、ビデオ店に立ち寄ると新作ビデオの特別セールが行われていました。そのセール品のなかに、あなたの好きな俳優が出演しているうえに好きなジャンルの映画作品がありました。ずっと前からそのビデオを買いたいと思っていたものです。
特別価格の1500円で販売されています。
この状況であなたならどうしますか?以下の選択肢のどちらかに丸をつけてください。
〈選択肢〉
- A.このビデオを買う
- B.このビデオを買わない
どうでしょうか。
シェーンの実験によると、この選択肢を示されると75%の人が買うと答え、買うのを見送ったのは25%だけという結果がでたそうです。これは、前から欲しいと思っていたものだという設定なので当然の結果のように思えます。
では、選択肢を次のように変えるとどうなるでしょうか。
〈選択肢〉
- A.このビデオを買う
- B.このビデオを買わない。1500円で別のものを買う。
どうでしょうか。
内容的には同じ選択肢なのですが、後半の「1500円で別のものを買う」という文言が付け足されただけで別の思考回路が働くのを感じたのではないでしょうか。
シェーンの実験によると、後者のような選択肢の変更をして別のグループに同じ質問をした場合「買わない」と答えた人が45%に増加したそうです。
このように、ビデオを買うか買わないかという狭い視点だけでなくお金の使い道という別の視点を加えてアプローチするだけで判断能力に2倍もの差が生まれるのです。
機会費用とは
このような、選択されなかった選択肢のうちで最善の価値のことを「機会費用」といいます。
法廷で損害賠償などを考慮する際などにも使われ、法学の世界では「逸失利益(いっしつりえき)」や「得べかりし利益」とも呼ばれます。
例えば、もしタブレット端末を買いに出かけたとき「iPadを買うべきだろうか」と悩んでいる自分がいたら、いったんその質問から離れ「32800円のiPadにしようか。それとも17800円のKindleにして余った15000円でアクセサリーやアプリを揃えようか…」などと今よりも選択肢の幅を2つか3つ広げられるようになるだけできっと後悔しない判断ができるようになるでしょう。
機会費用を考えられる人になりましょう。
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